裁量トレードと真逆!リピート系自動売買の本質を完全理解する記事

2016年5月5日

リピート系自動売買は誤解されやすい注文方法だと思っています。

今のFX業界では、売買差益を得るための手法(安く買って高く売る、高く売って安く買い戻す)がメインですが、連続発注はまったく異なる概念を持つものです。よって、そういった裁量トレードの世界の常識を持ち込むと、本来利益を得られるはずの連続発注であっても、長く続けることが困難になります。あるいは、余計な偏見を持って連続発注を始めることになりかねません。

含み損や損切り、損小利大の考え方、トレンドに乗る、という裁量トレードでよく聞く鉄則3ヵ条を通じて、連続発注の本質をこの記事で完全に解説します。

1.リピート系自動売買はとてもシンプルなFX運用

1-1.手動+自動=連続発注

トレード12の主軸となるのは連続発注という、最近FX業界で主流になりつつある商品です。

連続発注のトレードはすべて自動的に行われるので、自動売買に分類されることもありますが、売買ロジックはイフダン注文を定期的かつ繰り返し自動実行するだけのものであり、一般的な自動売買にありがちなブラックボックス感は一切ありません。

そしてイフダン注文を仕掛ける範囲や売買の方向性(買いか売りか)は、自分で判断しなければいけません。そのため、相場観は必須です。

つまり相場の判断は投資家自身が行い、売買は機械が自動的に行うという、半裁量、半自動の運用が連続発注であるといえます。

1-2.レンジの上下限を想定するだけ

連続発注で判断しなければいけないことは、たったひとつだけ。「想定したレンジの中に、レートが収まっているか、飛び出したか」だけです。収まっていれば資産は増え続けます。

たったこれだけのことなので、難しく考える必要はまるでありません。

想定レンジは、過去の安値と高値に引いた水平線が基準となります。これも難しくありませんね。

2.長期目線が連続発注の原則

AUDJPYMonthly

こちらは豪ドル/円の月足チャートですが、過去10年以上にわたって55円から107年の間に価格が収まっていることが一目瞭然です。月足チャートを使うことで、超長期的な相場の天井と底をすぐに把握できます。

そして月足で相場を判断するのであれば、年単位の超長期的な運用となることをあらかじめ知っておかなければいけません。

3.リピート系が続けられなくなる3つの要因

私も少しだけ読んだことがありますが、世間にはFX関連の書籍や雑誌、情報サイトが無尽蔵にあふれています。

  • 損切りをちゃんとしましょう
  • 損小利大を心がけましょう
  • トレンドに乗りましょう

それらの本やWebのほとんどには、上の3ヵ条が書いてあると思います。FXをやっている方なら、一度は見たことがある、いわゆるトレードの鉄則みたいなものですね。

たしかにこれらは裁量トレードをする際には重要なポイントなのですが、連続発注は裁量とは考え方が異なる投資手段です。

そして連続発注が上手くいかない人は、上記3ヵ条の表面的な部分だけを強く意識していると同時に、連続発注の本質を理解していません。その結果、含み損が膨らんだときにストレスを感じ、想定レンジ内にあったとしても逃げるように損切りをしてしまいます。

含み損は悪、損切りが正義
損小利大じゃないとFXでは勝てない
トレンドに乗るべきなのに、ナンピンしてないか?

…こんな考え方になってしまい、実は計画通りのトレードができていても、損切りしなければいけない、という考え方に陥ってしまうのです。

次から、この3ヵ条それぞれについて掘り下げて見ていきます。

4.含み損、損切りに対する考え方

4-1.含み損があることが前提の運用

ループ・イフダンに限った話ではなく、トラリピサイクル注文でも同じことで、連続発注は含み損ありきの資産運用です。含み損を常に抱えながら、それ以上の利益確定を得て、合計収支をプラスにすることを目指すのが連続発注です。含み損があるのは予定通りです。

4-2.レンジ内にいるならむしろ含み損は多いほうが良い

というか、含み損がちゃんとないと、利益が見込めないのが連続発注です。

例えば買い戦略の場合、含み損がもっとも少なくなるのはレンジ上限付近での推移ですが、これだとまとまった利益確定が見込めません。それよりも、想定レンジ内であれば、大暴落や大暴騰が起こったほうが、その分だけたくさんのポジションに利益確定のチャンスが生まれ、利益が伸びます。

またスワップが期待できる売買戦略なら、ポジションをたくさん持っていたほうが、それだけスワップポイントが入りやすくなります。

結論として、想定レンジ内であれば、含み損は多いほど良い、ということになります。

5.損小利大への考え方

連続発注は損切りをしない=リスクが無限大であるのに、利食いは細かいのでかなり分が悪い損大利小ではないか? という意見もあるでしょう。たしかにそういう見方もあるかもしれませんが、私の考え方は違います。

システムの稼働をエントリー、システムの停止(レンジから飛び出した場合など)をイグジットとした場合、連続発注はかなりの長期的な売買になります。

そして価格がレンジ内を推移しているかぎり、含み損は限定的です。当初に想定している以上には増えません。そのかわり、レンジ内での往復があるたびに利益確定は繰り返されるため、利益は増えていきます。

つまり、

「最初の時点では利小損大であっても、長く想定レンジ内に価格があり続けることで、最終的には損小利大になる」

これが私が考える連続発注の本質です。

そしてできるかぎり想定レンジから飛び出さないよう、月足を用いて超長期的な上限と下限を設定します。

6.トレンドに乗ることの意味

ループイフダン トレンド」でネット検索をすると、トレンドに弱いみたいな低脳な意見を書いているサイトをたくさん見かけます。

すでに書いていますが、連続発注は高値と安値に挟まれた水準をレンジとして解釈する運用方法なので、トレンドという概念そのものが必要ありません。

一般的にレンジブレイク後にはトレンドが発生しますが、ループ・イフダンの場合は想定レンジを抜けた場合は決済してそこで取引が終了するだけのことです。

そしてレンジの範囲を見極めるだけの運用ですので、サポートとレジスタンス以外のテクニカルは一切不要です。これが連続発注のシンプルたる所以です。

7.資金管理の鉄則は絶対損切りしないこと

7-1.とにかく損切りにならない!

連続発注にとって一番大切なのは資金管理(リスク管理)であり、とにかく損切りをしないことを目指します。もちろん、損切りしない=損切りボタンを押さない、ではありません。いかに強制ロスカットにならずに済む設定で運用するかが大切です。

7-2.3倍程度の低レバレッジ運用が鉄則

とにかく損切りしないためには、適切なレンジの想定とともに、低レバレッジ運用が鉄則です。数字でいえばレバ2~3倍が適当。これくらいの低レバでも、数年運用できれば年利10%前後は見込めます。

システム停止、決済で資金は引き出せますが、損失を出す可能性もあるため、長期売買を想定して資金を運用してください。

8.裁量トレードとの関係性

連続発注のトレードは全自動なので、寝てても遊んでても勝手に運用は行われます。約定メールでレートを確認していれば、極端な話チャートを見る必要もありません。普段いそがしかったり、あまりFXに時間をかけずに利益を出したい人にとっては最高の運用手段であると思います。

しかし、トレードの技術をどんどん磨いていきたい人、学んだテクニカルや分析術を活用したい人には連続発注だけでは物足りないですよね。私もそうですが、連続発注と裁量トレードを使い分けるのは良いことだと思います。ただ両者はぜんぜん違う考え方に基づいていることを意識し、資金もしっかり分けてください。

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