トラリピ・ループイフダン・サイクル注文をコストや機能で比較

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連続発注機能のなかでも、もっとも人気があると思われるトラリピループイフダンサイクル注文を比較してみました。運用の参考にしていただければ幸いです。

(2016.10.17 2016年9月のループイフダンバージョンアップに対応して加筆・修正を行いました)

1.そもそも連続発注とはなにか

連続発注3商品を比較する前に、まずは連続発注の定義を知っておきましょう。

1-1.半裁量+半自動=連続発注

連続発注においては、売買戦略の決定や資金管理をプレイヤーが担当し(裁量部分)、実際の売買は機械が自動的におこないます(自動の部分)。

連続発注の売買ロジックは、値動きに応じて一定間隔で売り買いを繰り返すもので、非常にシンプルかつ明確です。これが、売買ロジックが明かされていない、一般的な自動売買との決定的な差です。

連続発注は、売買方針が明示されているため、運用する前に「○円まで逆行すれば、○円の損失となる」というように、リスクをはっきり把握できます。

1-2.レンジ相場に強い

連続発注の始祖といえば、マネースクウェア・ジャパンM2J)のトラップリピートイフダン。その名の通り、イフダン注文をリピート(繰り返す)する商品設計です。トラリピのフォロワーである、ループイフダンサイクル注文も表面的なやり方はちがっても、結局はトラリピと同じようなロジックで動きます。

イフダン注文(IFD注文)は新規建てと決済をセットにした注文方式で、これが繰り返されるため、設定された幅のなかで値動きが続くたびに、利益確定が積み上がります。この特性により、連続発注が真価を発揮するのはレンジ相場ということになります。

2.トラリピ:高コストだが自由度が高く操作性良し、情報も多い

toraripi

出典:http://www.m2j.co.jp/landing/toraripi_1404_2/

2-1.トラリピの概要

マネースクウェア・ジャパンM2J)の特許取得済みコンテンツが、トラップリピートイフダン、略してトラリピ。2007年12月に提供開始されて以来、長らく唯一無二の連続発注機能として君臨。ただしここ数年は、追従するフォロワーに手数料勝負に持ち込まれ苦戦。

その名前の通り、

  • トラップ:指定した範囲に複数の注文を仕掛ける
  • リピート:新規→決済が完了したイフダン注文を再設定する
  • イフダン:新規注文と決済注文をセットで発注

の3種類を組み合わせた商品となっています。

なお、マネースクウェア・ジャパンは裁量トレードでもトラリピ同様の高い手数料がかかるため、ほとんどのユーザーはトラリピのみの運用。この会社の商品は、実質的にトラリピのみといえます。

2-2.トラリピM2Jのメリット

設定の自由度が非常に高く、ツールも使いやすい

レンジ幅、注文幅、利食い幅を自由に決められます。

またキャラクターをふんだんに利用した取引システムは非常に分かりやすく、初心者でも使いやすいと思います。

セミナーが多く、学習コンテンツが豊富

投資家教育に熱心で、会場型の対面セミナーを全国各地で開催。また、FXを始めたばかりの人でもスムーズに学べるように配慮されています。

決済トレールが使える

他の連続発注にはない独自の機能です。一気に相場が突き進む局面で、利益を大幅に拡大できます。詳しくは『トランプ相場が証明したトラリピ・決済トレールの威力』で解説しています。

相場の情報も充実

市場のレポートが豊富に出されており、内容もしっかりしています。

東証一部上場で信頼性抜群

上場企業なので安心感があります。財務状況も健全。

らくトラ資産運用表が使いやすい

口座を開設すると使用できる「らくトラ資産運用表」で、ロスカットレベルが簡単に把握できるので、リスク管理が容易になります。

2-3.トラリピのデメリット

コストが圧倒的に高い。これにつきます。

2-4.トラリピまとめ

  • 設定の自由度、ツールの操作性、情報や学習コンテンツの充実の引き替えに、非常に高コスト
  • 今後もコスト競争に参加する気配はなく、トレール機能実装、日経225やNYダウの採用など、独自路線を突き進む

2-5.トラリピはこんな人向き

取引コストはかかっても、操作性を重視したいFXビギナーや、会社の安全性を重視する富裕層向けではないでしょうか。

3.ループイフダン:手数料は最安だが機能が限定的で操作性に難あり

lf

出典:http://fx.inet-sec.com/systrd/system/loop/

3-1.ループイフダンの概要

ISグループの一角、アイネット証券が提供する連続発注機能です。登場は2013年の秋。

売買の仕組みはとてもシンプルで、一定値幅ごとに新規建てと決済を行い続けるというもの。

いろいろ使いにくい部分もあるものの、コスト面でもっともアドバンテージがあるため、2016年現在はこのループイフダンで運用を行っています。

3-2.ループイフダンのメリット

手数料無料、コストは最安

一番のメリットはやっぱりこれです。なお、2015年にサイクル注文で運用していたのは、当時手数料が無料のキャンペーンが行われていたからです。

スワップ金利が高い

連続発注は損切りせずにポジションを持ち続けるのが鉄則なので、ポジション保有時間が長くなりがち。そのためスワップの影響は大きいです。

また買いと売りのスワップ差が小さいため、売り戦略を仕掛けやすいというメリットもあります。

→2016年10月、アイネット証券のスワップが大幅に縮小されました。

選ぶだけのシンプルさ

豪ドル/円 B80のように、売買の方向性(Bが買い・Sが売り)と新規と決済の値幅(この場合は80pips)を、あらかじめセットになっているものから選ぶだけですぐ運用できます。今ある連続発注のなかでは、もっともシンプルです。

3-3.ループイフダンのデメリット

通貨ペアが少ない

2016年5月現在、米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円の4種類のみ。トラリピiサイクル注文と比べると非常にすくないです。

またこれら4通貨ペアはすべてクロス円で、たいてい似たような動きになります。よって、動きが違う通貨ペアを組み合わせたリスクヘッジ的な運用にも向きません。

自由度が低い

シンプルさの裏返しともいえますが、利食いの幅、損切りの幅が最初から固定されていますので、柔軟な運用はできません。

強制的な損切り機能がある

2016年9月のルール変更で、実質的な強制損切り機能である最大ポジション数による損切りが設定されました。詳しくは『ループイフダンのバージョンアップまとめ、メリットと変更点』で解説しています。

システム不具合が発生したことがある

2014年10月にシステムの不具合が発生しており、本来起こりえない水準での約定が確認されています。またログインができない状態になったケースも報告されています。

約定力が低い→改善された模様

上記のシステムの不具合とも関連してきますが、アイネット証券のシステムは脆弱な印象です。そのため経済指標などによる相場の急変動が起きると、価格がつかずに約定しないケースが目立ちます。ループイフダンの約定力については『ポジらずにスルー!ループイフダンの約定力の弱さが露呈…』で詳しく解説しています。

が、2016年9月の大幅改修で、約定力はかなり向上しました。詳しくは『ループイフダンのバージョンアップまとめ、メリットと変更点』で解説しています。

3-4.ループイフダンまとめ

  • コストはもっとも安い
  • 操作性や自由度は低く、システムの安定性もいまいち

3-5.ループイフダンはこんな人向き

使いにくくてもかまわない、とにかく利益を出したい!という人向け。初心者向きではない

4.サイクル注文:通貨ペアの多さが魅力!コストはそこそこ

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出典:https://www.gaitameonline.com/icycle/

4-1.サイクル注文の概要

国内大手の外為オンラインが提供する連続発注機能です。指定した幅の中で、同条件の複数のイフダン注文が繰り返し実行されるというシンプルな仕組みです。

サイクル注文に相場追従機能を加えたのがiサイクル注文ですが、こちらは損切りを前提としたシステムであるため、私のやり方には合っていません。

なお2015年はサイクル注文の手数料が無料のキャンペーンが続いていたため、サイクル注文で利益をあげることができました。これについてもいずれこのメディアで取り上げます。

4-2.サイクル注文のメリット

通貨ペア数が多い

全24の通貨ペアがトレードできます。ループイフダンはもちろん、トラリピと比べても多いです。

くりっく365に参加している

取引所取引の透明性や売り買い同価格のスワップポイントなど、くりっく365の特徴を活かすことができます。

4-3.サイクル注文のデメリット

損切りの設定がない

トラリピのような損切りはできません。

想定変動幅に上限がある

想定変動幅(レンジ幅)の上限が5000pips(クロス円の場合は50円)なので、それよりも大きな幅を狙えません。

4-4.サイクル注文まとめ

4-5.サイクル注文はこんな人向き

いろいろな通貨ペアをトレードしたいならこれ。

5.連続発注を選ぶポイント

5-1.レンジ幅

レンジ幅を自由に設定できるかできないかでは、管理の手間がかなり変わってきます。トラリピサイクル注文とちがい、ループイフダンはレンジ幅を決められないので、想定レンジから価格が飛び出したときには手動での操作が必要に。そのため、日々の値動きを確認する必要が出てきます。

5-2.注文幅と利食い幅

注文を置く幅(間隔)と利食いの幅を自由に設定できるトラリピでは、様々なこだわりのアレンジが可能。

例)
・注文幅20pips、利食い幅50pips
・米ドル/円の買いの注文幅を、120円台では50pips、110円台では40pips、100円台では30pips

5-3.通貨ペア数

相関性がそれほどでもない通貨ペアを組み合わせることで、両建てではないリスクヘッジが可能に。例えば米ドル/円を売りながらユーロ/米ドルも売るなど。

ループイフダンは通貨ペア数が4種類しかなく、しかもすべてが対円通貨なので、同じような動きになりやすく、リスクヘッジとなる組み合わせは期待できません。

5-4.M2Jの市場レポートとらくトラ資産運用表

マネースクウェア・ジャパンに口座を開くと閲覧できる市場レポートは、非常に情報が豊富なので私もよく見ています。

また、らくトラ資産運用表は、連続発注の資金とレンジの計画を決める際に重宝します。

トラリピをやる、やらないは別として、口座は作っておいたほうがいいでしょう。

6.連続発注の歴史

6-1.年表

2007年12月
マネースクウェア・ジャパンからトラリピが登場

2010年1月
トラリピが特許を取得

2013年4月
インターネット上で販売されていた、トラリピと同じ動きをするEAがこのころ姿を消す

2013年10月
アイネット証券からループ・イフダン登場

2013年12月
YJFX!からリピートレール注文が登場

2014年3月
インヴァスト証券からトライオートFXが登場

2014年7月
ひまわり証券からループ・イフダンが登場

2014年10月
外為オンラインからiサイクル注文、FXトレーディングシステムズがトラッキングトレードが登場

2015年1月
ライブスター証券からiサイクル注文が登場

2015年2月
マネースクウェア・ジャパン外為オンラインiサイクル注文トラリピの特許侵害として訴訟

2015年4月
マネーパートナーズから連続予約注文が登場

2015年10月
マネースクウェア・ジャパンが、70カ月連続で預り資産の増加を達成

2016年5月
iサイクル注文サイクル注文が特許を取得

6-2.連続発注のターニングポイントと今後

連続発注の始祖、トラリピ

マネースクウェア・ジャパントラリピが商品化されたのは2007年で、最古の連続発注機能です。

トラリピを商品化する前、一定の範囲にイフダン注文を手動で仕掛ける顧客が利益を出していたことにヒントを得て、そういった発注を自動化することで、トラリピが誕生したといわれています。

FX会社各社はリーマンショック前後から低コスト競争に突入していきますが、M2Jは手数料を基本的に下げることなく、特許化したトラリピの優位性と充実した情報や学習体系を武器に、独自路線を継続します。

その結果として、2010年1月から2015年10月末まで、前人未踏の70ヵ月連続預り資産高増加の大記録を打ち立てます。これはつまり、70ヵ月連続でユーザーの資金の合計が増えているということですから、トータルで見てユーザーが負けにくい運用であることの証明といえます。

トラリピの類似商品が続々登場

トラリピ一強時代に待ったをかけたのが、ループイフダンサイクル注文といった、類似したシステムを持つ商品で、これらをまとめて連続発注と当サイトでは呼ぶことにしています。

トラリピ以外の連続発注は、特許を取得済みのトラリピと違う解釈ができる仕組みにはなっていますが、結局のところ値動きするたびにイフダン注文を繰り返していくという点は同じです。

トラリピ以外の連続発注は、すべて機能的にはトラリピに劣りますが、その分手数料は安いため、トラリピ一強時代は次第に揺らいでいきます。

トラリピ vs iサイクル注文の法廷バトル

2015年2月、マネースクウェア・ジャパン外為オンラインを特許権侵害で訴えましたが、2016年4月には外為オンラインiサイクル注文サイクル注文が特許登録されています。これは実質的にトラリピの敗訴を意味しており、M2Jはますます窮地に立たされたといってよいでしょう。

業界内では、M2J側の対策が遅く、外為オンライン側に知的財産権に強い弁護士を多く押さえられてしまったことが敗因との噂も。

しかし、2016年6月には、iサイクル注文M2Jが持つ別の特許を侵害しているとして、M2J外為オンラインを再び訴えました。こちらの戦いは泥沼化の様相を呈し始めています。

外為オンラインがM2Jとの裁判に勝利!iサイクルも特許に』と『トラリピとiサイクル注文が特許権を巡る裁判バトル第2ラウンドへ』でも、この件を解説しています。

今後の展望は?

外為オンラインのiサイクル、サイクルが特許登録されたことで、同種の他社連続発注もオリジナルのものであると認められることになりそうです。

現在は元祖のトラリピとコスト最安のループイフダンが2強状態ですが、第3の強力な連続発注機能が登場する可能性もあります。

外為オンライン

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