いくらかかる?グルトレの必要証拠金や逆行時の損失を把握しよう
トレード12読者の皆さん、こんにちは。FXライター兼編集者の鹿内武蔵です。
この記事では、グルトレを運用するにあたって、いったいどれくらいの資金が必要になるかを考えていきます。
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最も基本となる「一直線に逆行したらいくらマイナス?」
グルグルトレインだけでなく、ループイフダンやトラリピなどの全てのリピート系において、「スタート地点から一直線に逆行したら、どれくらいマイナスになるのか」という考え方は、リスクを管理し、必要資金を把握し、資金効率を良くするためにも絶対必要になる考え方です。
「一直線に」と、わざわざ言及しているのがポイントで、例えば買いサポートのグルトレをやる場合、最も負けるのは一度も上昇せずにまっすぐ下がった場合です。つまりこれが最悪のパターンで、リスクの把握は最も良くないケースを用います。
マネースクエアのらくトラ運用試算表も、この考え方で作られた便利なツールです。買いのトラリピなら、「ここから○○円まで下がったら強制ロスカット」というように、最悪のパターンを事前に把握するために使います。
なお、実際はどんなリピート系でも、途中で戻って少しは利食いがあるはずなので、一直線パターンよりはマシな損失になります。
グルトレ計算機を使って逆行時の資金を把握
グルトレ計算機という、非常に便利なサイトがあるのをご存知ですか? グルトレを運用するときに必要な資金が分かります。
こちらで、マネーパートナーズのnano口座を前提とした、「100通貨取引のグルトレで5円逆行したらいくらお金がかかるか」をシミュレーションしてみましょう。下のように打ち込んでみてください。
このように打ち込んで計算をすると下のような結果になります。それぞれの意味を理解しておきましょう。
【1】子本体 確定
子本体で確定した利益、つまり利食いした金額の合計です。グルトレは上にも下にも両建てするので、上がっても下がっても利益確定は発生します。
買いサポートの運用なら、売りの子本体が2,300円分利益確定しています。
【2】子本体(+)
子本体の含み益の合計です。5円逆行時に、100円分の含み益があるはずです。買いのサポートなら、売りで含み益になっているポジションの合計含み益が100円になるということです。
【3】子本体(-)
子本体の含み損の合計です。買いサポートの運用なら、売りの子本体が合計でいくら含み損になっているかですね。
100通貨取引で一気に5円動いた場合、12,750円の含み損になっているはずです。
【4】サポート(-)
上昇を狙ったグルトレの場合、基本の設定では子本体の10倍のトレード枚数で、1円ごとに買いのポジションを建てていきます。
これが500pips下落してしまった場合、つまり5円逆行した場合には、15,000円の含み損になっているはずです。
【5】証拠金
この運用をするために必要な証拠金です。証拠金の考え方は実はかなり分かりにくいのですが、「その取引をするために、証券会社にロックされる資金」のように私は考えています。
最初に価格を80円と入力していますが、円絡みの通貨ペア(ドル円、豪ドル円など)の価格が80円だと、100通貨あたり320円の証拠金が必要です。
グルトレのこの運用の場合、合計で35520円の証拠金が必要となります。
【6】必要資金
必要になる資金(【3】【4】【5】)から利益(【1】【2】)を引いた金額である60,870円が、100通貨グルトレで5円逆に行った場合に必要な資金です。
グルトレに本当に必要な資金
60,870円が、100通貨グルトレで5円逆に行った場合に必要な資金と書きましたが、60,870円だけあれば100円グルトレを始められて、なおかつ5円逆行でもロスカットされない、と考えるとちょっと違います。
順行時の証拠金も必要になる
グルトレ計算機で出てくる数字は、一度も順行することなく、まっすぐ逆行した場合に必要なお金です。実際はスタート価格から上にも下にも注文を入れますよね。買いサポートのグルトレなら、今の価格より下だけでなく、上にも注文を入れるため、その部分の証拠金も必要になります。
100円グルトレの証拠金なら、スタート価格から上5円幅にも注文を入れる場合、もう32,000円分の証拠金が必要になります。
つまり、ある価格から上に5円、下に5円のグルトレを買いサポートで仕掛けて、スタートから一直線に下落することを想定した場合には、60,870円+32,000円=92,870円の資金が必要ということになります。 ※100通貨の証拠金が320円の場合
両建て時の証拠金について
なお、ここまでの計算は、両建てMAX方式に基づいています。これはなにかといいますと、買いと売り両方の注文やポジションが入っている場合、買いか売りのうち取引数量が多い方の証拠金のみ必要になるシステムのこと。これは会社によって違いますが、少なくとも私がグルトレを運用しているマネパは採用しています。また、グルトレ計算機も両建てMAX方式での証拠金計算をしていると思われます。
グルトレの基本設定では、1円幅の中に、買い10本、売り10本、サポート1本(=子本体10本)が入ります。1本が100通貨取引なら、買いが2,000通貨、売りが1,000通貨で、合計3,000通貨分の証拠金(9,600円)が必要になるはず。でも、両建てMAX方式の場合は、少ない方の売りの証拠金が免除されて、2,000通貨分(6,400円)の証拠金だけで済みます。
一つ上で解説している、順行時の5円分の証拠金は、1円が証拠金6,400円なので5円で32,000円という計算です。
マネパの実際に自分の口座の注文数を見ると、実際にこの証拠金になっているので間違いないと思います。
ただ、両建てMAX方式を採用していないFX会社もあるため、グルトレを始める前に確認してくださいね。
実際に5円下落したらいくら負けるのか
上に5円、下にも5円の買いのグルトレを設置し、一気に5円下落することを見越した場合には、92,870円の資金が必要であることを解説しました。
それでは実際に5円下落した場合に、どれくらい損をするか(どれくらいのお金が残る)かも把握しておきましょう。
先ほどのグルトレ計算機による結果です。証拠金は売買結果で増減するものではないので、【1】~【4】のトレード結果を総合すると、60,870-35,220=25350円が100円グルトレで5円逆行した時の損失となります。言い換えると、67,520円のお金が残ることになります。
なお、先述の通り、実際は相場がジグザグ動いて利益確定が少なからず積み上がるはずですから、これよりはもう少し損失が少なくなります。
ちなみに、5円逆行した口座をそのまま放置していたらどうなるでしょうか。私が使っているマネパnano口座の場合、証拠金維持率が100%を割り込んだら強制ロスカットです。これまで何度も解説してきた、92,870円で上下5円ずつの100円グルトレで5円逆行した時点で、ほとんど証拠金維持率は100%付近まで下がっているので、前後して口座は飛びます。
証拠金維持率はFX会社によって違うので、調べてみてください。どちらにせよ、グルトレの損切りは強制ロスカットになるまで待つのではなく、あらかじめ決めておいた水準で自分の意志で実行した方が良いと思います。
グルトレをマネーパートナーズnano連続予約注文で運用(設定編)
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