FXの利益に影響大なボラティリティを考察してみる
FXのトレードに取り組んでいると、ボラティリティ(volatility)という単語を頻繁に耳にすると思います。こちらの記事では、ボラティリティについて考察していきます。
ボラティリティとは値動きの大きさのこと
ボラティリティとは値動きの大きさのことです。ボラティリティが大きい=よく動く、ボラティリティが小さい=あまり動かない、というような使い方をよくされています。
ボラティリティがなければ稼げないので非常に重要
FXは価格変動により利益を出すわけですから、ある程度以上ボラティリティがないと儲かりません。
裁量トレードでは、大きすぎるボラティリティは敬遠される傾向がありますが、リピート系の連続発注では価格が想定レンジ内にある限り、ボラティリティが大きいほど利益が増えます。このあたりのメカニズムは『リピート系連続発注の大好物、パニック相場攻略』でも解説しています。
通貨ペアによってボラティリティはかなり違う
1日の平均変動幅 | 1日の平均変動率 | |
ドル円 | 0.96円 | 0.96% |
豪ドル円 | 1.26円 | 1.50% |
ユーロ円 | 1.5円 | 1.17% |
ポンド円 | 1.98円 | 1.25% |
NZドル円 | 1.1円 | 1.55% |
カナダドル円 | 1.2円 | 1.35% |
(マネースクウェア・ジャパン提供のヒストリカルデータより 2007年4月2日~2017年2月17日)
1日の平均変動幅について
一般的なイメージ通り、ドル円の変動はおとなしめで、上記の6通貨ペアの中では変動幅が一番小さいです。逆に、「殺人通貨ペア」の異名を取るポンド円は、さすがの変動幅で1日平均で約2円動いています。
1日の平均変動率について
ここでは、価格に対しての変動幅の割合を変動率と呼びます。ポンド円が160円のときの変動幅1.6円(160pips)と、豪ドル円が80円のときの0.8円(80pips)は同じ1%の変動率となります。
なぜ変動率の方が重要なのか
私は単純にいくら値動きしたか(変動幅)より、元の価格に対してどれくらい値動きしたか(変動率)を重視していますが、それは通貨ペアごとに証拠金の違いがあるからです。
上記の期間の平均価格を見てみましょう。始値の平均価格は、
- ポンド円:160.35円
- 豪ドル円:86.66円
となります。ポンド円は豪ドル円のおよそ倍の値動きをしています。
それぞれの平均価格で、資金10万円、レバレッジ25倍の条件で、平均変動価格の頭から尻尾、つまり1日のトレンドの動きを丸ごと獲得したとします。
- ポンド円:1.55枚で+198pips=+30,690円
- 豪ドル円:2.88枚で+126pips=+36,288円
このように、レバレッジを揃える=リスクを同一にすると、豪ドル円の方が利益は多くなります。異なる通貨ペアを同じ証拠金額で取引するなら、実損益は変動幅ではなく変動率に依存するというのが結論です。ただしこれはクロス円(円が絡んだ通貨ペア)にのみ適用される考え方です。
オセアニア通貨は優秀!
あらためて上の表を見ると、オセアニア通貨の豪ドル円とNZドル円の変動率の高さが確認できます。変動率だけ見ればNZドル円は豪ドル円より優れていますが、スプレッドは豪ドル円の方が狭いケースが多いです。
まとめ
- ボラティリティが大きいほど約定回数が増える(連続発注の場合)。ボラは大きいほど良い
- 変動幅ではなく変動率で通貨ペアを選ぶ(クロス円のみの考え方)
- とはいえ、ボラティリティも一つの判断要素に過ぎない。レート、スワップ、スプレッドなども考慮して、総合的に通貨ペアを選択しましょう
あきがわ・くにひと。東京都在住の兼業トレーダーで、住宅ローンを抱える二児の父。某製造業で働きつつ、FXトレードに精を出す。2013年から本格的にFXを開始。テクニカル分析主体の考え方で、スキャルピングやデイトレ、自動発注系ツールの活用、高金利通貨のスワップ運用など幅広い発想でFX投資を行ってきた。現在は、ループ・イフダンを主体に運用を行っている。夢は大きな犬とのんびり暮らすこと。
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