ループイフダン・トラリピ・iサイクル注文のスプレッド比較(2016年9月雇用統計)

2016年9月14日

スプレッドという名の手数料は、裁量だろうと連続発注だろうと、収支に大きな影響を与える重要な要素です。この記事では、2016年9月2日(金)の雇用統計発表時の、ループイフダントラリピiサイクル注文のスプレッドを比較してみました。

1.スプレッドの基本ルール

1-1.FX会社の主な収入源

スプレッドとは、FXにおける買値と売値の差のこと。例えば、米ドル/円の買いが100円51銭、売りが100円50銭なら、スプレッドは1銭ですよね。この差が、FX会社にとっての主な手数料になります。

かつてのFXでは、売買ごとに所定の手数料を徴収されるパターンが多かったですが、業界全体で激しいコスト競争が進んだ結果、手数料無料は当たり前となり、スプレッドのみにコストが発生するFX会社がほとんどになりました。

上記の例でいえば、ユーザーは新規に高く買わされ、安く売らされるわけです。つまり1銭分不利な状態からトレードがスタートします。操作画面上では、買った瞬間、売った瞬間ともに、マイナス1銭の状態から運用が始まります。この分がFX会社の儲けというわけです。

1-2.スプレッドは恣意的に決められている

現在のFX会社の多くは、OTC(Over-the-counter)と呼ばれる店頭取引です。これはなにかというと、為替市場と投資家の間にFX会社が入り、投資家はFX会社が決めたレートで売買をします。

これはつまり、FX会社がある程度好きにレートをつけてOKともいえます。たとえば2016年6月の英国EU離脱の際も、長時間に渡って異常にスプレッドが拡大していたFX会社が多数ありましたが、これは彼らがそう判断してスプレッドを広げていたからです。極端に値動きした短い時間帯以外は、米ドル/円のスプレッドが数十銭も開き続けるはずはなかったはずなので。

2.雇用統計発表時(2016年9月2日)のスプレッドは?

さて、これらの基本を踏まえ、雇用統計の日のスプレッドがどうなったかを見ていきましょう。

2-1.通常時のスプレッド(9月6日 11:25)

その前に、通常時を見ておきましょう。こちらは9月6日のスプレッド。特になにもない日、平常運転時の数値なのでこれを基準にしましょう(ループイフダンiサイクル注文トラリピの並び順。以降も同様)。

0906-1 0906-2

0906-3

ドル円 ユロ円 ポン円 豪円
ループイフダン 2 3 5 4
外為オンライン 1 2 3 3
トラリピ 2 4 8 5

さて、これがどうなるか見ていきましょう。

2-2.雇用統計発表直後(9月2日 21:30:00)

2-2-1 2-2-2

2-2-3

ドル円 ユロ円 ポン円 豪円
ループイフダン 3.8 21.7 27.9 19.2
外為オンライン 1 39 25 24
トラリピ 35 35 35 35

さすがに発表直後のタイミングでは、ドーンとスプレッドが広がりますね。その中で、iサイクル注文の米ドル/円だけが、いつも同じスプレッドを保っているのが目立ちます。さすがの約定力といったところでしょうか。

なお、ループイフダンは1分更新なので、30秒の数値はひとつ前の00秒と同じものになります。

2-3.雇用統計発表から30秒後(9月2日 21:30:30)

2-3-1 2-3-2

2-3-3

ドル円 ユロ円 ポン円 豪円
ループイフダン 3.8 21.7 27.9 19.2
外為オンライン 1 2 3 3
トラリピ 6 9 13 11

発表から30秒後、早くも外為オンラインはいつものスプレッドに戻りました。ループイフダントラリピは大きく広がったまま。

2-4.雇用統計発表から1分後(9月2日 21:31:00)

2-4-1 2-4-2

2-4-3

ドル円 ユロ円 ポン円 豪円
ループイフダン 2 3 5 4
外為オンライン 1 2 3 3
トラリピ 5 9 11 7

1分が経過したところで、ループイフダンもいつものスプレッドに戻りました。それに対してトラリピはワイドな状態を保ったままです。

2-5.雇用統計発表から1分30秒後(9月2日 21:31:30)

2-5-1 2-5-2

2-5-3

ドル円 ユロ円 ポン円 豪円
ループイフダン 2 3 5 4
外為オンライン 1 2 3 3
トラリピ 4 6 8 6

トラリピのポンド/円が正常なスプレッドに戻りました。

2-6.雇用統計発表から2分後(9月2日 21:32:00)

2-6-1  2-6-2

2-6-3

ドル円 ユロ円 ポン円 豪円
ループイフダン 2 3 5 4
外為オンライン 1 2 3 3
トラリピ 4 5 9 6

発表から2分後、ループイフダンiサイクル注文は通常値をキープしているなか、M2Jだけがまだ普段より広いスプレッドでの営業。おまけに通常値に戻っていたポンド/円のスプレッドもまた広がってしまいました。

3.まとめ

外為オンラインの約定力は、連続発注3強の中ではやはり最上位でした。雇用統計の30秒後にはもう通常時に戻っていました。

また、約定が弱いといわれていたループイフダンも十分な健闘を見せ、発表の1分後には正常値に。

それにひきかえ、トラリピは2分後にも異常値のまま。やはりこの会社はしっかりコストを徴収しないと成り立たないビジネスモデルなのでしょう。

2016年11月雇用統計のスプレッド⇒『ループイフダン・トラリピ・iサイクル注文のスプレッド比較(2016年11月雇用統計)』

関連:16年12月FOMCスプレッド比較:ループイフダン・トラリピ・iサイクル

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