トランプ相場が証明したトラリピ決済トレールの威力
マネースクウェア・ジャパン(M2J)のトラリピといえば、いわずとしれたリピート系自動売買の元祖です。ループイフダン、iサイクル注文、トラッキングトレード、トライオートといった他の連続発注は、すべてトラリピの模倣商品であり、それらでできることはすべてトラリピでも実行できます。
ただし、ループイフダンやiサイクル注文ではできず、トラリピだけでしか使えないのが「決済トレール」の機能です。
- 1. 1.他社では使えないトラリピ独自の機能、決済トレールについて
- 2. 1-2.M2J、トラリピの決済トレールの特徴
- 3. 2.2016年11月、トランプ相場における決済トレールの成績
- 4. 3.手数料が高いトラリピを運用するメリット
1.他社では使えないトラリピ独自の機能、決済トレールについて
まずはトラリピの決済トレールの基本を学んでおきましょう。
出典:http://www.m2j.co.jp/guide/kessai_trail.php
上の画像はマネースクウェア・ジャパンの公式サイトで解説されている、決済トレールのイメージ図を拝借しているのですが、これを見てもなにがなにやらですよね。
1-1.トレール注文とは?
まず、トレール注文とはなにかということについてですね。
出典:https://www.moneypartners.co.jp/fx/tools/hyperspeednext/trail.html
こちらはマネーパートナーズさんからお借りしたトレール注文のイメージ図です。
- トレール注文とはトレンド方向にスライドする逆指値注文
- 買いなら上昇、売りなら下降するごとに、トレール注文の価格もスライドしていく
- 買いなら下降、売りなら上昇しても、トレール注文の価格の価格は動かない
- トレンドが伸びるほど利益も増加していく
- トレール幅分戻ったところで決済となる
- トレンドの頂点や大底での利食いはできない
トレール注文の特徴をざっくり書くと上のような感じになります。トレンドを追いかけてくれるので、利益の拡大を狙えますが、必ず最大利益からトレール幅分だけ戻ったところで決済となるので、いわゆる「一番良いところ」で利食いすることはできません。そしてトレンドが伸びなければ、むしろ利益が目減りすることもあります。
トレール注文は結局のところ、押し目や戻りの値幅とトレール幅との兼ね合いとなるので、設定の難しさがあります。それだからこそ、以下のような相場では一気に利益の拡大が期待できます。
- ほとんど押し目や戻りをつけず、一直線に突き進む強い相場
- 経済指標や要人の爆弾発言など、瞬間的に値動きするサプライズ局面
1-2.M2J、トラリピの決済トレールの特徴
トラリピの決済トレールは、上で解説したFX会社各社の決済トレールとは、少しだけ違う部分があります。
- トレール幅は20pipsで固定
- 利益が増えるごとに、トレール幅も20pipsずつスライドしていく
- あらかじめ設定されていた利食い価格+20pipsに到達して、初めてトレール機能がオンになる
骨子となるのはこの2つでしょう。トレール幅は固定なので、良くも悪くも設定で迷う必要はありません。また、利益が出る状態になってからトレールが発動するので、やらなければ良かった状態の心配もありません。
ただし、利食い自体を+20pips先延ばしするため、どうしても決済のタイミングは後ろ倒しになります。たとえば利食い価格が110.00円なら、110.20円に到達ところでトレール注文が発動します。この時点での利益確定価格は110.00円。ここからトレンドが伸びて、現在価格が110.40円になったら、利食い価格が110.20円にスライドします。つまり、トレンドが通常の状態より+20pips伸びてくれないと、利食いすることができないというデメリットがあります。
2.2016年11月、トランプ相場における決済トレールの成績
さて、それでは実際に決済トレールがうまく機能した相場をデータで振り返ってみましょう。すでに公開している『約定力の差でiサイクルがループイフダンより高収益に!』では、2016年11月における、ループイフダン、トラリピ、iサイクル注文の成績を公開、比較しています。この記事には書いていないのですが、この期間のトラリピの成績は以下のようになっています。
- 期間:2016年11月7日~12月2日
- 運用商品:トラリピ
- 取引通貨ペア:豪ドル/円
- 取引単位:4000通貨
- 設定利確幅:80pips
- 期間決済回数:11回
- 期間確定売買損益:¥53,960
- 平均確定利益:4,905円
- 備考:決済トレールあり
特筆すべきは、5,000円近い平均確定利益でしょう。この設定だと4000通貨×80pipsで、1回の利益は3,200円なので、一度のトレードあたり約1,800円。値幅にして約122pipsを獲得していることになります。これは基本の設定幅の1.5倍以上にあたるわけですから、トランプ相場のような一直線の値動きの際の、決済トレールの破壊力が存分に発揮されたといえるでしょう。
3.手数料が高いトラリピを運用するメリット
たしかにトラリピは非常に取引コストが高いです。広いスプレッドにくわえて、売買ごとに手数料も発生しています。今のFX会社のほとんどは、手数料なしでスプレッドのみ。M2Jだけが、スプレッドと手数料を二重取りしているといえます。
この面だけ見れば非常に厳しいですが、トラリピならではのメリットもあります。
- 決済トレールが使える
- 設定の自由度が一番高い
- 情報コンテンツが充実している
- 取引ツールがPC、スマホともに使いやすい
決済トレールが使えることは、他の連続発注業者に対しての明確なメリットといえます。またツールの使いやすさも際立っており、特にメカに弱い人はM2Jを選んだ方がいいでしょう。
関連記事:トラリピ・ループイフダン・サイクル注文をコストや機能で比較
あきがわ・くにひと。東京都在住の兼業トレーダーで、住宅ローンを抱える二児の父。某製造業で働きつつ、FXトレードに精を出す。2013年から本格的にFXを開始。テクニカル分析主体の考え方で、スキャルピングやデイトレ、自動発注系ツールの活用、高金利通貨のスワップ運用など幅広い発想でFX投資を行ってきた。現在は、ループ・イフダンを主体に運用を行っている。夢は大きな犬とのんびり暮らすこと。
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