16年12月FOMCスプレッド比較:ループイフダン・トラリピ・iサイクル
2016年12月15日(水)午前4時に今年最後のFOMCがありました。イベント時特有のスプレッド拡大について、ループイフダン、トラリピ、iサイクル注文を比較してみました。また、番外編として、GMOクリック証券、ヒロセ通商、OANDA Japanのスプレッドも計測してみました。
スプレッドに関する詳しい説明は『ループイフダン・トラリピ・iサイクル注文のスプレッド比較(2016年9月雇用統計)』にて。
1.FOMC5分前のスプレッド
ドル円 | ユロ円 | ポン円 | 豪円 | |
トラリピ | 4 | 5 | 8 | 6 |
iサイクル | 1 | 2 | 3 | 3 |
ループイフダン | 2 | 3 | 5 | 4 |
12月15日の3:55、FOMC5分前のスプレッドです。これがいわゆる平常営業時の数値となります。
参考:米ドル/円の各社スプレッド
GMOクリック証券 0.3pips
ヒロセ通商 0.3pips
OANDAJapan 0.4pips
2.FOMC発表直前のスプレッド
ドル円 | ユロ円 | ポン円 | 豪円 | |
トラリピ | 35 | 34 | 35 | 35 |
iサイクル | 1 | 24 | 29 | 20 |
ループイフダン | 2 | 12 | 31.4 | 21.7 |
12月15日の3時59分50秒のスプレッドです。発表の10秒前ですが、すでに大きく広がり出す通貨ペアが現れ始めています。iサイクル注文とループイフダンは、米ドル/円はいつものスプレッドに固定されています。
参考:米ドル/円の各社スプレッド
GMOクリック証券 8.0pips
ヒロセ通商 59.4pips
OANDAJapan 5.8pips
3.FOMC5秒後のスプレッド
ドル円 | ユロ円 | ポン円 | 豪円 | |
トラリピ | 17 | 30 | 35 | 35 |
iサイクル | 1 | 14 | 31 | 14 |
ループイフダン | 2 | 3 | 20.3 | 19.4 |
FOMCの発表から5秒が経過した、4時00分05秒のスプレッドです。トラリピは大きく広がったまま。ループイフダンは米ドル/円とユーロ/円が早くも平常スプレッドに戻りました。
参考:米ドル/円の各社スプレッド
GMOクリック証券 8.0pips
ヒロセ通商 30.0pips
OANDAJapan 8.0pips
4.FOMCから30秒後のスプレッド
ドル円 | ユロ円 | ポン円 | 豪円 | |
トラリピ | 25 | 17 | 18 | 11 |
iサイクル | 1 | 14 | 3 | 3 |
ループイフダン | 2 | 3 | 5 | 4 |
発表から30秒後、4時00分30秒のスプレッドです。トラリピは依然として荒ぶったままですが、ループイフダンは完全に平常営業に。さすがの2016システムです。またiサイクル注文もおおむね平常営業に戻りました。
参考:米ドル/円の各社スプレッド
GMOクリック証券 6.0pips
ヒロセ通商 30.0pips
OANDAJapan 2.4pips
5.FOMCから1分後のスプレッド
ドル円 | ユロ円 | ポン円 | 豪円 | |
トラリピ | 5 | 8 | 9 | 6 |
iサイクル | 1 | 2 | 3 | 3 |
ループイフダン | 2 | 3 | 5 | 4 |
トラリピが平常営業より微妙に高いくらいで、残りの通貨ペアは平常営業に戻りました。
参考:米ドル/円の各社スプレッド
GMOクリック証券 1.8pips
ヒロセ通商 20.0pips
OANDAJapan 1.9pips
6.FOMCから2分後のスプレッド
ドル円 | ユロ円 | ポン円 | 豪円 | |
トラリピ | 8 | 6 | 9 | 6 |
iサイクル | 1 | 3 | 3 | 3 |
ループイフダン | 2 | 3 | 5 | 4 |
4時02分00秒のスプレッドです。相変わらずトラリピがちょっとだけ広いくらい。iサイクルは瞬間的なものだと思われます。
参考:米ドル/円の各社スプレッド
GMOクリック証券 3.6pips
ヒロセ通商 4.5pips
OANDAJapan 1.2pips
7.まとめ
7-1.なぜ自動売買でスプレッド急拡大を問題視するのか
今回は裁量系のFX会社であるGMOクリック証券とヒロセ通商、スプレッドの公平さには定評があるOANDAJapanも掲載してみました。MT4の自動売買にも対応したOANDAはともかく、クリックとヒロセのスプレッドはそんなに気にしなくて良いと思います。なぜならこれら裁量トレードの会社は、あらかじめ分かっているイベント時にはポジションをクローズして、トレードをしないという選択肢があるからです。
ですが、連続発注を含む自動売買の場合、基本的に常にシステムは稼働しっぱなしです。そのため、極端に不利なスプレッドの拡大があると、高く買わされたり、安く売らされたりします。その結果、利食い幅が狭くなったり、あるいは新規建てで入れる場面で入れなかったりします。
7-2.連続発注主要三社の比較
トラリピのスプレッド拡大ぶりが目立ちました。もともと高コストな会社ですが、こういったイベント時にスプレッドでも利益を取りに行っているため、ユーザーにとっては不利な価格提示となっています。
iサイクル注文とループイフダンは拡大するもののそこからの回復が早く、また一番目立つからなのか米ドル/円のスプレッドは固定されていました。
関連記事:
ループイフダン・トラリピ・iサイクル注文のスプレッド比較(2016年11月雇用統計)
ループイフダン・トラリピ・iサイクル注文のスプレッド比較(2016年9月雇用統計)
あきがわ・くにひと。東京都在住の兼業トレーダーで、住宅ローンを抱える二児の父。某製造業で働きつつ、FXトレードに精を出す。2013年から本格的にFXを開始。テクニカル分析主体の考え方で、スキャルピングやデイトレ、自動発注系ツールの活用、高金利通貨のスワップ運用など幅広い発想でFX投資を行ってきた。現在は、ループ・イフダンを主体に運用を行っている。夢は大きな犬とのんびり暮らすこと。
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