iサイクル研究室でもやはり広い値幅狙いが有利という結論に

2016年9月2日

連続発注の3強の一角のiサイクル注文ですが、提供元の外為オンライン公式サイトには、『iサイクル研究室』というコンテンツが常時更新されています。

この半年間の運用で、私は『値幅あたりの取引枚数が同じ(=リスクが同じ)なら、値幅を広く設定したほうが得である』とほぼ確信しています。

このiサイクル研究室で公表されているデータも、この仮説を後押しするものとなっています。

1.iサイクル研究室で公表されているデータについて

1-1.どんなデータが公開されているのか

外為オンラインの公式サイト内コンテンツ、『iサイクル研究室』では、2014年11月から現在まで、口座資金10,000,000円(1千万円)でiサイクル注文をデモ口座で運用した際の累積収益を高い順に5つ、毎週更新しています。

1-2.連続発注設定の詳細

  • 運用期間:2014年の11月3日から現在まで
  • 運用商品:iサイクル注文
  • 口座資金:10,000,000円
  • 想定変動幅:500pips
  • コース:デモ口座のL25コース(取引単位:1万通貨)
  • 通貨ペア:米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、スイスフラン/円、カナダドル/円、豪ドル/円、NZドル/円、ユーロ/米ドル
  • ポジション間隔:10・20・30・40・50pips
  • 売買の方向性:買いと売りの両方
  • 通貨ペアごとの取引証拠金:2014年11月3日時点の必要証拠金に+α(1.4~1.5倍)した金額

1-3.2016年8月26日時点のデータ

icycle

  • 1位:ユーロ/米ドル・10pips・売り
  • 2位:ユーロ/米ドル・20pips・売り
  • 3位:ユーロ/円・10pips・売り
  • 4位:ユーロ/円・30pips・売り
  • 5位:ユーロ/円・20pips・売り

2.ユーロ/米ドルの10pipsと20pipsの比較

2-1.10pipsのリスクは20pipsの倍

2016年8月26日時点では、上のような順位になっています。パッと見たら、ユーロ/米ドルの10pipsのほうが、20pipsより勝てるように見えますよね。

実際に10pipsのほうが累積の収益は多いのですが、この二つの運用は条件が違います。通貨ペアや売買の方向性、取引期間、開始時の資金は同じですが、相場に対するリスクは違います。

10pipsの証拠金は約400万円なのに対し、20pipsは約210万円。倍近く違います。それは当たり前で、想定変動幅が500pipsなので最大ポジションは、10pips:50万通貨、20pips:25万通貨となります。

10pipsは20pipsの半分の値幅でポジションを取るわけですから、ポジションは当然倍。それはつまり、この場合なら上昇したときのリスクもおおむね倍になるわけです。

2-2.10pipsはリスクほど勝ってない

ですが、リターンは倍もありません。10pipsが約208万円の収益、20pipsは約183万円の収益です。リスクが多い割には、10pipsは20pipsとあまり変わらない利益(1.13倍)しか出せていないわけです。

2-3.このデータのマジック

そもそもこのデータは、1万通貨取引で初期資金が1000万円あるため、資金的にはそれなれに余裕があります。なので、各取引のリスクが横並びでなくても、あまり気になりません。

そういった状況で、リスクの違う商品を並べて、収益額のみでの比較をしているのが、このページの実態ということになります。

2-4.10pipsと20pipsのリスクを揃えたら?

20pipsと10pipsのリスクをおおむね同一にするためには、20pipsのトレード枚数を倍の2万通貨にすればOKです。そうすることで、値幅に対するポジション量は、以下のように同じになります。

  • 10pips:10pipsごとに1万通貨
  • 20pips:20pipsごとに1万通貨→2万通貨

こうすることで、どちらも10pipsごとに1万通貨を持つことになります。

そして20pipsの方は取引枚数が倍になるため、累積の収益も倍になります。

  • 10pips:2,086,850円
  • 20pips:3,676,584円

20pipsのほうが圧倒的に有利ですね。

2-5.なぜ値幅が広いほうが有利なのか

この場合のリスクを揃えた10pipsと20pipsは、前者は小分けにした利益確定、後者はまとめての利益確定と定義できます。

FXにおけるボラティリティは一定ではなく、ときに明確なトレンドが発生して、押し目や戻りがなく一気に値動きすることがあります。その際には、まとめて値幅を獲得した方が利益は多くなります。詳しくは『豪ドル円のループイフダンは値幅80銭が一番勝てた』で解説しています。

3.まとめ

ポジションを小分けにして小さく利食いするより、1ヵ所にまとめて広い値幅を狙った方が有利なのは、まず間違いないと思っています。

今回のiサイクル研究室は外為オンラインが発表している公式データですから信憑性が高く、この説を裏付けるデータとなりました。この考えに基づき、ループイフダンの豪ドル/円は、もっとも値幅が広い80pipsを選択しています。

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